『ごみ』―今年聴いた音楽(その1)

「音楽・映像」と銘打ったカテゴリが、ほとんど訃報とか受賞(章)とかのニュースのカテゴリになりつつあるので、本来的なものを上げようと思う。

ふと気づいたら時期も時期なので、今年良く聴いた音楽。
とは言っても、一月や二月のことなんてほとんど覚えていないので、「今年聴いた」という認定の確かさもかなり怪しいのだけれども、年間を通じて一番聴いたのが、以前も取り上げたことのあるこれだろうということは、間違いないだろうと思う。

ぼくたちのいるところ。『ごみ』

ごみ

今年発売されたぼくいる。のアルバムは『ぼくいる。』なのだけれども、この『ごみ』は通勤中に聴くのに絶妙の長さなので、こちらの方が聴く機会が多かった。

今年はダメ子さんがテレビ出演したり、そこそこの大きさの箱でバンドのワンマン・ライブを行ったり…、で、まだまだ知名度が高いとは言えないものの、多少は売れて来たようだ。
売れないバンドがメジャーになったりすると、古いファンが「昔の方が良かった」なんて言うことが往々にしてあるけれども、僕はそういう感覚を持ち合わせないので、もっと売れれば良いな、と素直に思う。

『ぼくいる。』(+『レコ発!!!』)もしくは『レコ発!!!』(+『ぼくいる。』)

ぼくたちのいるところ。『レコ発!!!』

レコ発!!!
   01.メンヘラきらいしね
   02.ニートは今日も死にたがる
   03.さよならバイバイ
   04.ウルトラ躁
   05.ダンボール彼女
   06.燃えるごみ
   07.あなたは死にません
   ――アンコール
   01.フリックガール(新曲)
   02.ぱっぱら




タワレコ新宿先着50枚限定、『ぼくいる。』購入特典のDVD-R。
『ぼくいる。』を買うと『ぼくいる。』発売記念ライヴ「CD売れたらこんなバイト辞めてやんよ!!」の映像が付いてくる…ちょっと循環論法めいている感じがする(?)けれども、既に『ぼくいる。』を持っているファンにとってはこのDVD-R自体にこそ価値があるわけだから、DVD-Rを買うと『ぼくいる。』がオマケで付いてくるといっても過言ではない。
バンドがメジャーになって何かの企画でBOX SETでも発売されたりすればこの映像も収録されるかもしれないけれども、それまではとても貴重なものなのに違いない。
タワレコ新宿だけと言わず、いろいろなところで特典として付けたとしてもけっして文句は言わないので、多くの人が見られるようになればいいな、と素直に思う。

『ぼくいる。』

取り上げるのがちょっと遅れたけれども…。

“ぼくたちのいるところ。”、初期曲を再録したアルバム発売

人生ダメ子(vo)を中心に、ノンジャンルなサウンドを構築する大阪発“メンタルぶっ壊し系”バンド“ぼくたちのいるところ。”が1月27日(金)にアルバム『ぼくいる。』(bokuiru-003 3,000円 + 税)をリリースすることが決定。

オシリペンペンズより石井モタコ・中林キララが参加した昨年リリースの前作『ごみ』に続く全国流通第3弾となる本作は、現メンバーが初期の楽曲をリアレンジして再録音。ベスト盤的な内容となっているほか、新曲「ウルトラ躁」「絶望依存症」も収録しています。(CDJournal)


と、いうことで、「ぼくたちのいるところ。」略して「ぼくいる。」のニュー・アルバム『ぼくいる。』。

ぼくいる。

全国流通版としては、『この世に産まれて来た事がそもそも間違いだったから』『ごみ』に続く第3弾。
静かで健康的な音楽しか受け入れがたい人には到底お奨めできるものではない。
けれども、爆音が好きな人には持って来いだし、精神的に下降傾向にある人は元気が出る(…かどん底まで落ち込むかのどちらか)だろう。

『ごみ』

なんでだかさっぱり判らないけれども、先日、こんなニュースがYahoo! に載っていた。

大阪発“ぼくたちのいるところ。”が2ndアルバム『ごみ』をリリース

大阪発の“メンタルぶっ壊し系”バンド、“ぼくたちのいるところ。”が5月3日(火)に2ndアルバム『ごみ』をリリースすることが決定しました。

2013年に結成、自由奔放かつパンク精神に満ちた人生ダメ子(vo)を中心に、メンバーそれぞれが持つバラバラの世界観から生まれる楽曲が高く評価され、鳥肌 実、石川浩司(ex-たま)らを招いて自主イベントを成功させるなど精力的に活動するこのバンド。ギターとドラムに新メンバーを迎えてのリリースとなる本作では、石井モタコ・中林キララ(オシリペンペンズ)がゲスト参加いた意欲作。収録曲より、「ダンボール彼女」のMV(youtu.be/7vdkgnGI480)が公開されています。(CDジャーナル)


で、それがこれ。

ごみ

『この世に産まれて来た事がそもそも間違いだったから』

ぼくたちのいるところ。『この世に産まれて来た事がそもそも間違いだったから』

この世に産まれて来た事がそもそも間違いだったから

以前取り上げたことのある、ぼくたちのいるところ。のニュー・アルバム。
前回、応援しているようなことを書いたので、発売から少々時間が経ってしまったけれども、これも取り上げておくことにした。
メジャー・デビューとまでは行かないけれども、今回は Amazon とかタワレコとかディスクユニオンとか、全国展開のサイト・店舗で購入することができるらしい。
ラストの「最後のギャルの惑星」に、たまの石川浩司らがゲスト参加しているのがこのアルバムのウリのようだけれども、個人的にはそこにはぼくいる。らしさが出ているわけではないように思う。
が、そういう売らんかなの姿勢は大切で、それがきっかけで前の9曲が聴かれるのならそれで良いのである。

「ぼくたちのいるところ。」

ここ暫くの間かなり集中的に聴いている音楽。

 『人生ダメ子と申します』
 人生ダメ子のテーマ
 阿保かいな
 あいのあな
 DEATHトロイ、おしり
 あなたは死にません
 人骨フィーバー
 だいぶ!!
 僕の頭にツノ生えた
 猫になりたいにゃ
 神様が見える僕の話
 生きぞこないのうた
 ボーナス・トラック あなたが死んだら(あなたは死にません~長生き。ばーじょん)


 『クソみたいな世界で生きてる皆様へ』
 僕だけが人間
 拝啓、電波でつながる皆様へ
 リアル
 絶望ファンタジー
 くそみたいな世界


 『今日も死にたがる』
 ニートは今日も死にたがる
 ヨユウシャクシャク
 死んだあなたと生きている僕
 僕は狂ってない
 さよならバイバイ


「ぼくたちのいるところ。」略して「ぼくいる」。
僕の音楽趣味はかなり偏っているので、これまでも取り上げた音楽があまり知られていないようなものであることが少なくなかったろうけれども、今回のものはこれまでにも増してほとんどの方にとって初耳だろうことは想像に難くない。
それもそのはず、大阪を中心に活動しているインディーズのバンドで、上記のものはその1st〜3rd。販売用のものとしては、たぶん「ぼくいる」名義のものは現在のところこれがすべてと思われる。

「サイケデリック精神病み闇ヤミーズ炸裂!」というのが1stのキャッチ・コピーなだけなことはあって、自殺とかイジメとかニートとか、かなり後ろ向きに感じられるようなテーマの曲が多いし、猟奇趣味溢れるものもある。
そのうえ、特に1stには僕の若干苦手な関西系のノリの曲も少なくない(そもそも、人生ダメ子などという名前自体、ベタな大阪の香りである)から、必ずしもその世界に全面的に共感できるわけではないのだけれども、聴き込んでみると、存外人生を肯定的に捉えているのではないかとも感じる。自虐や諦観に終わるわけではなく、かといって弱者を応援するような高い位置に構えているわけでもないところが心地良い。
まぁ、そんな小理屈はともかくとして、痛快な爆音ロックであることに間違いはなく、ヴォーカルの力強さは言うまでもなく、バックの演奏も確かである。
ごく大雑把に括るとパンクなのだろうけれども、それだけに留まらない意外に多彩な世界を持っている。

軽く中身のごく一部を紹介しておくと…、
1stの「猫になりたいにゃ」は、そのユーモラスなタイトルとは裏腹な、イジメを扱った絶叫系のハードなロック。
2ndの「拝啓、電波でつながる皆様へ」は、情報化社会の稀薄な人間関係をアイロニカルに歌った佳曲。
3rdの「死んだあなたと生きている僕」は、ネガティブにも思えるタイトルのポジティブな人生讃歌。恐らく2回り以上も違うだろう女の子が書いた詩に涙ぐむのも馬鹿みたようだけれども、これは良い。

ことばでは到底伝わるものではなく、聴いてみるに如くはない…のだが、入手する方法も限られているし、万人にオススメできるようなものでもない。

いつか彼女たちがメジャーになることがあった時に、したり顔で昔のことを語るオヤジになろうと思って書いた。