"GOING BACK HOME"

先日、朝の出がけの慌しい中、「ウィークエンド・サンシャイン」を聴くともなしに聴いていたら、とてつもなく素敵なハーモニカの音色が耳に入った。
後でプレイリストを確認して、かなり衝動買いに近い感覚で購入したCD。

WILKO JOHNSON/ROGER DALTREY "GOING BACK HOME"
 ~ウィルコ・ジョンソン&ロジャー・ダルトリー『ゴーイング・バック・ホーム』~


Going Back Home

このアルバムは、ウィルコ・ジョンソンが、ザ・フーのリード・ヴォーカリストのロジャー・ダルトリーと共に制作した、恐らくは彼の最期の作品。
この「最期」は誤変換ではなくて、ウィルコが末期の膵臓癌を宣告された後、死ぬまでロックを続けることを発表した中で制作されたアルバムなのである。
ウィルコは元ドクター・フィールグッドのギタリストで、…と言ったところで知らない人が多いだろう。僕も知らなかったのだが、演奏中に激しく前後に動き続けたり、開脚ジャンプを繰り返すなど、独特な演奏スタイルの持ち主で、コアなファンが多いらしい。日本でも、シーナ&ザ・ロケッツとかウルフルズとか THEE MICHELLE GUN ELEPHANT とかが、影響を受けているのだそうだ。

幕開け、お目当ての Steve Weston なる人が吹くハーモニカ全開の表題作は、ドクター・フィールグッド時代の代表曲。以下、ボブ・ディランのカバー Can You Please Crawl Out Your Window(窓からはい出せ)を含めた11曲、約35分に凝縮されている。
現代の感覚では35分は短いと言えるだろうけれども、この短さが良い。中身が詰め込まれていれば、CDの収録時間を目いっぱい使うような真似をする必要はない。

ユニバーサル・ミュージックの公式サイト で、I Keep It To Myself の映像を見ることができる。これが、素晴らしい。
[ 2014/04/26 21:24 ] 音楽・映像 洋楽 | コメント(0) | TB(1) |  TOP△

紺紙金字一切経

平安期の金字経から真ちゅう 制作者、費用ごまかす?

にかわで溶いた金粉で写経したとされていた平安時代後期(12世紀)の経典「紺紙金字一切経(荒川経)」を分析したところ、真鍮(ちゅう)が大量に使われていたと奈良大学(奈良市)が21日発表した。調査した東野治之教授(文化財史科学)らは「経済的、宗教的な理由とは考えにくい。制作者が施主に無断で金の代わりに使い、費用を浮かせたのでは」とみている。

日本では江戸時代に普及したとされる真鍮が、当時金の代替素材として使われていたことを示す発見という。(日本経済新聞)


本文中で「真鍮」にかなが振られているけれども、それよりむしろ、「紺紙金字一切経」に必要だろう。「こんしきんじいっさいきょう」と訓む…のだそうだ。
それはそれとして、下衆の興味として、非常に面白い。「費用を浮かせた」のが事実だとして、「施主に無断」なのは間違いないとしても、本当に制作者だけが利益を得ようとしたのか、はたまた…などなど。

なお、毎日新聞の記事を見ると、若干だがニュアンスが違う。

東野教授は「他にも真ちゅうを使った金字経や金製品が出てくる可能性がある」と指摘。西山教授は「真ちゅうは平安後期、金ほどではないが貴重な素材だったと考えられる。金属工業史の空白を埋める発見だ」と話している。


真鍮も貴重品だったとすると、制作費のちょろまかし、という下賤な興味は若干削がれるけれども、それはそれで重要な発見らしいから、興味深いニュースであるのに違いない。
[ 2014/04/22 22:56 ] 歴史 | コメント(4) | TB(0) |  TOP△

ハリケーン

冤罪被害者の元ボクサー、ルービン・カーターさん死去

米国の冤罪(えんざい)事件で19年間服役した元ボクサー、ルービン・カーターさんが20日、前立腺がんの合併症のためカナダのトロントで死去した。76歳だった。冤罪被害者の支援団体関係者が明らかにした。

1960年代にプロボクサーとして活躍したが、66年にニュージャージー州で起きた事件で3人を殺害した罪に問われ、有罪判決を受けて翌年終身刑を言い渡された。

後にこの判決は覆されたものの、76年に再び有罪の判決。85年になってその判決も破棄され、19年ぶりに釈放された。検察側は88年に不服を申し立てていた。

この間にカーターさんを支援する運動が盛り上がり、米歌手ボブ・ディランさんがカーターさんの無実を訴える歌を発表したほか、プロボクサーのモハメド・アリさん、米俳優のバート・レイノルズさんらも支援した。(CNN)


先日の袴田事件の再審決定の報を受けて、「ハリケーン」ルービン・カーターの名を聞いた方もいるだろうが、今度はそのカーターの訃報に接することになった。
カーターの事件は僕が生まれる前のことだから、まったく知らない。ボブ・ディランが彼の支援のために歌った名曲 Hurricane(ハリケーン)によって、そのことを知ったのである。同様の人も、多いだろう。今回の報道でも、ほとんどのものがディランのことに触れていた。
もっとも、ディランが「ハリケーン」に入れ込んでいたのは、一時的なことだったようではあるのだけれども…。
[ 2014/04/21 22:45 ] | コメント(0) | TB(0) |  TOP△

「重うございます」

以前にも書いたことがあるけれども、「とんでもない」の丁寧な言い方について、「とんでもございません」は誤りで、「とんでもないことでございます」が正しいと、良く耳にする。けれども、本来、形容詞の丁寧な言い方を作る場合には、連用形のウ音便に「ございます」を付けたはずである。だから、「とんでものうございます」と言うのが、より古い形だろうと思う。
とはいえ、そんな言い方は、畏まり過ぎていて、庶民の口からは、なかなか出てくるものではない。無理してそんな言い方をしたとしても、嫌味だと思われるのでなければ、ギャグか何かと誤解されるのがオチである。
ごく自然にそういう言い方をするのは、ふつうの人には、なかなか難しい。

メダル「重うございますね」 春の園遊会

天皇、皇后両陛下ご主催の「春の園遊会」が17日、東京・元赤坂の赤坂御苑で開かれ、ソチ五輪のメダリストをはじめ各界の功労者ら計約2千人が出席した。

スキージャンプ個人銀の葛西紀明選手(41)は団体での銅とメダル2つを首に下げ出席。両陛下は手に取られ、皇后さまは「大きく飛ばれたのね。重うございますね」と話された。大震災で被害を受けた宮城県南三陸町の佐藤仁(じん)町長(62)らも招かれた。(産経新聞)

続続・ボブ・ディラン視聴月間(4)

ディランの未発表音源など掃いて捨てるほどあって、数限りなく海賊版が出されているから、集めようとしてもキリがない。
掃いて捨てるほどあるだけに、音質もひどくまったく価値のないようなものも甚だ多い。
その中からとびきり価値のあるものを掘り出すことを夢見て怪しげなCDを漁りまくるほどの根性もないので、海賊版はそれほど持っていないし、さらに価値のあるものはほとんどない。
その中から、多少は価値のありそうなもの。

Down In The Flood

Down In The Flood

 1.JOKERMAN
 2.LICENSE TO KILL
 3.MAN OF PEACE
 4.NEIGHBORHOOD BULLY
 5.DON7T FALL APART ON ME TONIGHT
 6.NO AMERICAN CAN SING THE BLUES LIKE BLIND WILLIE Mc TELL
 7.SWEETHEART LIKE YOU
 8.I AND I
 9.AIN'T NO GOIN' BACK

INFIDELS のアウトテイクらしい。「LIVE AT THE POWER STATION,NEW YORL,1983」と書かれているが、パワーステーションは録音スタジオで、ライヴ音源ではない。
80年代のディランの最高傑作という声もある BLIND WILLIE McTELL の別バージョンと思しい NO AMERICAN CAN SING THE BLUES LIKE BLIND WILLIE Mc TELL が収められていることが、価値だと言えようか。とはいえ、Bootleg Series 1-3 でもっと状態の良いものが聴けるのだから、それほどのことでもない。


同じような2枚。

Bye Bye Johnny

ByeByeJohnny

 1.JUST LIKE A WOMAN
 2.BLOWIN’ IN THE WIND
 3.I'LL REMEMBER YOU
 4.MASTERS OF WAR
 5.ALL ALONG THE WATCHTOWER
 6.LUCKY OLD SUN
 7.I FORGOT MORE THEN YOU'LL EVER KNOW
 8.SPIKE
 9.BYE BYE JOHNNY
 10.POSITIVELY 4TH STREET
 11.LIKE A ROLLING STONE
 12.KNOCKIN' ON HEAVEN'S DOOR

Lucky old sun

Lucky old sun

 1.POSITIVELY 4TH STREAT
 2.ALL ALONG THE WATCHTOWER
 3.MASTERS OF WAR
 4.I'LL REMEMBER YOU
 5.I FORGOT MORE THAN YOU'LL EVER KNOW
 6.BYE BYE JOHNNY
 7.BREAKDOWN
 8.JUST LIKE A WOMAN
 9.BLOWIN' IN THE WIND
 10.LUCKY OLD SUN
 11.SO YOU WANT TO BE A ROCK'N' ROLL STAR
 12.SPIKE
 13.LIKE A ROLLING STONE
 14.KNOCKIN' ON HEAVEN'S DOOR

どちらも1986年の Tom Petty & The Heartbreakers とのツアーのライブ音源。この時の日本公演は、僕も見に行った。
Bye Bye Johnny を先に買って持っていたのだが、似たようなものを見つけて、その中に入っていた Petty の Breakdown が聴きたくて、敢えて重ねて買った覚えがある。

続続・ボブ・ディラン視聴月間(3)

THE ROLLING STONES
STRIPPED~ストリップド~


ストリップド/

このバンド名が、ディランの LIKE A ROLLING STONE から名付けられた…わけではないが、このアルバムで、その LIKE A ROLLING STONE を演奏している。

アコースティックなアルバム。

龍馬の手紙

竜馬暗殺直前の手紙発見=新政府構想に言及、一般家庭で保管

幕末の志士、坂本竜馬が暗殺される直前に書いた手紙の下書きとみられる文書が新たに見つかったと7日、NHKと高知県立坂本龍馬記念館が発表した。東京の一般家庭で保管されていたもので、同記念館や京都国立博物館などが鑑定した結果、直筆であることはほぼ確実と判明したという。
「越行の記」と題され、竜馬が京都で暗殺される近江屋事件の前の10日以内に書かれたとみられるという。本文が739文字あり、土佐藩の後藤象二郎に宛てた手紙の下書きとみられ、大政奉還後の新政府の財政計画や人材について書かれていた。
NHKの番組収録中の街頭インタビューがきっかけで、東京都国立市の家庭のちゃぶ台の下に保管されていたことが分かった。古美術商から買った価格は1000円だったという。(時事通信)


政治だの外交だの科学だの、ロクでもないニュースが多い昨今、これは面白い。
素人が二束三文で手に入れた古いものなど、たいていは「小野小町が鎮西八郎為朝に送った恋文」だの「源頼朝公ご幼少の砌の髑髏(しゃれこうべ)」の類いなのが相場だけれども、中にはこんなこともあるんだな。
[ 2014/04/08 22:45 ] 歴史 | コメント(0) | TB(0) |  TOP△

続続・ボブ・ディラン視聴月間(2)

ディラン以外のアーティストがディランを歌った企画版。

THE BYRDS PLAY DYLAN 〜ディランを歌う〜

ディランを歌う

ディランの曲を数多く歌い、それだけに確執がなかったわけではないらしいザ・バーズ。
ディラン自身が聴いて驚いたという The Times They Are a-Changin' は必聴。

Joan Baez
baez sings dylan


Baez Sings Dylan

一時期ディランと行動を共にしていたバエズだけに、ディランのカヴァーも数多い。
マニアなら、このあたりも押えておくに如くはない。

GRATEFUL DEAD
POSTCARDS OF THE HANGING


Postcards of the Hanging

グレイトフル・デッドによるディランのカヴァー集。
デッドをバックにディランが歌う MAN OF PEACE を収める。DYLAN & THE DEAD のツアーと同時期のスタジオ録音らしい。

小房の粂八

「あまちゃん」祖父役から半年…蟹江敬三さん、胃がんで死去

NHK連続テレビ小説「あまちゃん」でヒロインの祖父を演じるなど名脇役として多数の作品に出演した俳優、蟹江敬三(かにえ・けいぞう、本名同じ)さんが3月30日午前8時27分、胃がんのため東京・新宿区の病院で死去していたことが4日、分かった。69歳だった。今年1月から入退院を繰り返していたという。多彩な役を演じ分けてきた名バイプレーヤーが突然、この世を去った。(サンケイスポーツ)


あまちゃんを否定するわけではないけれども、蟹江敬三と言えば小房の粂八を抜きには語れないだろう。密偵に転じた元盗人の心の影と人情味を、見事に醸し出していた。
[ 2014/04/06 00:00 ] | コメント(0) | TB(0) |  TOP△

「覚え違いタイトル集」

ひょんなことから福井県立図書館のホームページの「覚え違いタイトル集」というのを見つけた。
読みたいと思った本の書名や著者名を、覚え違い、うろ覚えで図書館にやって来て、司書の力を借りて正解に辿り着いた実例集のようなものなのだが、こうやって纏められているのを見るのは非常に面白い。

 誤)妊婦にあらず
 正)奸婦にあらず(諸田玲子)

こういう勘違いはありがちだが、一体どんな内容の小説を想像して借りようとしていたのだろうか?

 誤)ハーメルンの音楽隊
 正)ハーメルンの笛ふき男/ブレーメンのおんがくたい

たしかに、こういう間違いも、良くある。

 誤)背中をけとばしたい
 正)蹴りたい背中(綿矢りさ)

判らなくはないが、この書名はふつう、間違えないだろう。

 誤)トコトコ公太郎
 正)とっとこハム太郎

これは純粋におかしい。孫のリクエストで図書館に借りに行って、メモを見ながら問い合わせた、というところだろうか。当然、メモは縦書き。

 誤)菊地カラー
 正)聞く力(阿川佐和子)

蔵書検索で出て来ないから質問したら、実は変換ミスだった、ということだろう。

 誤)まんじょうき
 正)方丈記

国文専門としては、これはいかがなものかと思うが、一方で、そんなものかとも思う。

以下のものは、良くこれで正解を導き出せると驚き入る。この情報では、絶対に利用者の力では探し出すことができそうもない。それだけ、図書館にはポテンシャルがあるということだろう。

 誤)ウサギのできそこないが2匹でてくる絵本
 正)ぐりとぐら/リサとガスパールのクリスマス

 誤)職業別のタウンページみたいな本。職業がいろいろ紹介されている。
   作者はヨウロウタケシ?カドカワハルキ?とにかく有名な人  
 正)13歳のハローワーク(村上龍)

 誤)「主婦の友」とかでよく見るんだけど、名前が読めない人の本。
 正)奥薗壽子(おくぞの としこ)
[ 2014/04/05 13:29 ] 本と言葉 閑話 | コメント(2) | TB(0) |  TOP△