ラドリオのコーヒー

先日、何年ぶりだかも覚えていないくらい久しぶりにラドリオに入った。
いきなり「ラドリオ」と言われても、知らない人は知らないだろうけれども、知る人ぞ知る、神田神保町にある喫茶店である。夕方以降はアルコール主体のメニューに変わるから、バーとしてのイメージが強い人も多いかもしれない。
ここは文豪たちが多く立ち寄ったことで有名な店で、古本屋街を歩き回った足休めだけでなく、近くにある山の上ホテルに缶詰になって原稿を書いている合間に息抜きで訪れることもあったようである。
似たような逸話を持つ喫茶店はいくらもあるのだろうけれども、その中でもラドリオは特別な存在である。裏通りにあって、知らずにふらっと立ち寄れるような立地でないことも、心をくすぐるものがある。

このラドリオ、もう一つ有名な点があって、日本で初めてウィンナー・コーヒーを提供した店らしい。
それで、この店では「コーヒー」というとウィンナー・コーヒーが出て来る。だから、ふつうのコーヒーが飲みたければ、「ブレンド」と注文しなければならなかった。
僕が頻繁に行っていた20年前くらいには、新しい客(むろんぼくもその1人)にはそれが通じなくなっていたからか、「コーヒー」と頼むと「ウィンナー・コーヒーでよろしいですか?」と聞き返されて、それに対して「はい」か「いいえ」かを答える必要があった。
とはいえ、そのやりとりを省略するために、最初から「ウィンナー」とか「ブレンド」と注文するのは、素人のやることである。 ラドリオで通ぶるためには、この店で「コーヒー」と言えばウィンナーに決まっているのだから、注釈なしの「コーヒー」を頼むべきで、問い掛けに対して当然のように「はい」と答える手順を踏まなければならない。

それで、久しぶりに訪れた今回も、当然「コーヒー」と注文したのだが、返って来た問いは「ブレンドでよろしいですか?」だった。
問い掛けに対して「いいえ」と答えるのは、相手の期待に反するようで若干心苦しい気がするけれども、そこで妥協して「はい」と答えるくらいなら、最初から「ブレンド」と注文すれば良かったのだから、ここは初志貫徹、少々戸惑いながら「いいえ」を返した。

むろん、客商売である以上、ウィンナーよりブレンドを注文する人が多くなって来たのであればそれに合わせた接客をするようになるべきなのは言うまでもなく、暫くぶりで訪れた客ごときが、以前との変化をとやかく言う筋合いのものではない。

要は、通ぶったことを書いてみたかっただけなのである。
[ 2015/02/04 13:33 ] 理屈・屁理屈 | コメント(2) | TB(0) |  TOP△

ラドリオは僕も6年ぐらい前に行ったんですが、ミロンガ同様、経営者が変わったんじゃないかと思います。
以前いたおばちゃんたちは、若い人に変わってました。
これが、なかなかダメな連中で、客が少なかったにも関わらず、僕のオーダーを忘れやがりまして、なおかつ態度が悪かったので、それ以来行っていません。
かつては、昼でも酒が飲め、夜でもコーヒーが飲めたように記憶していますが、時間によってかっきり分けるようになっていました。
[ 2015/02/05 04:00 ] [ 編集 ]

Re: 中川@やたナビ さん

夜でもコーヒーが飲めたのは確かで、昼でも…は定かな記憶ではありませんが、昼メニューしか出ていない時に中川君が酒を注文していたような覚えがあります。
夕方に行って昼メニューを頼んだら調理人の交代時間ですぐには作れないと言われたことがあるんですが、待っても良いと言ったら快く出してくれました。
ケーキを頼んだら店員さんが外に出て行ってすぐにケーキを手に(たぶんミロンガから)戻って来たり、ある日を境にBGMがアルゼンチン・タンゴに変わったり…と、いろいろ思い出はあります。
何だか店が明るくなりましたね。ドアが変わった所為か照明の加減か判りませんが、あの薄暗さが良かったんですが。
[ 2015/02/05 09:30 ] [ 編集 ]

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