附箋を剥がす(23)

以前、「つまらない」の丁寧な言い方について書いた、その附録のようなもの。

「ここへ入らしって、まだ一枚も御描きなさらないじゃありませんか」
「ええ」
「でも折角画をかきに入らしって、些(ち)っとも御かきなさらなくっちゃ、詰りませんわね
「なに詰ってるんです」(夏目漱石『草枕』新書版全集P118)


「失礼ですが、よろしかったら、ごいっしょに飲みませんか」
「ええ」
気の抜けたような返事だった。エフ博士はかまわずに、そばに腰をかけた。
「お見うけしたところ、お元気がありませんが、ご気分はいかがですか」
つまりませんな。わたしの気分は、つまらないの一語につきます。このところ、ずっとそうなのです」(星新一「新鮮さの薬」『マイ国家』)


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