スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | | CM(-)TB(-) |  TOP△

いわゆる「ら抜き」

「見れた」「出れる?」…「ら抜き言葉」初めて逆転 「確信犯」の誤用は7割

21日に発表された文化庁の平成27年度「国語に関する世論調査」では、文法上誤りとされる「ら抜き言葉」も調査対象となり、「見れた」や「出れる?」などの使用割合が初めて本来の表現を上回った。

「ら抜き言葉」の調査は今回が5回目。「見られた」と答えた人は44.6%で「見れた」は48.4%、「(早く)出られる?」は44.3%で「(早く)出れる?」は45.1%と、それぞれ逆転した。

いずれも年代が若くなるほど「ら抜き」を多用する傾向がみられ、40代以下はどの年代も5割を超えた。ほかにも「来れますか」が44.1%で「来られますか」の45.4%に肉薄した。

こうした傾向について、文化庁の担当者は「逆転したのは『ら抜き』にすることで意味が正確に伝わる可能性が高い言葉ばかり。例えば『見られた』だと受け身の表現にも聞こえる。らを抜くと意図が伝わりやすいので多くなっているのかもしれない」としている。(産経ニュース)


やはり定番のいわゆる「ら抜き」(厳密には「a-r抜き」。以外単に「ら抜き」と言う)の問題が興味深い。
とりわけ、文化庁の担当者が調査の内容を理解して発言しているかどうかに興味が沸く。

文化庁の「平成27年度「国語に関する世論調査」の結果について」によれば、調査に使われたのは、こんなものである。

(1)
(ア)こんなにたくさんは食べられない 60.8%
(イ)こんなにたくさんは食べれない 32.0%
(2)
(ア)朝5時に来られますか 45.4%
(イ)朝5時に来れますか 44.1%
(3)
(ア)彼が来るなんて考えられない 88.6%
(イ)彼が来るなんて考えれない 7.8%
(4)
(ア)今年は初日の出が見られた 44.6%
(イ)今年は初日の出が見れた 48.4%
(5)
(ア)早く出られる? 44.3%
(イ)早く出れる? 45.1%

(4)(5)が逆転している例で、(1)(2)(3)がそうではない例である。
文化庁の担当者が「逆転したのは『ら抜き』にすることで意味が正確に伝わる可能性が高い言葉ばかり」と言っている意味が判らない。
むろん、「『見られた』だと受け身の表現にも聞こえる。らを抜くと意図が伝わりやすい」ということ自体は容易に理解できるのだけれども、実はこれは何も言っていないのと同じである。逆転していないものが「『ら抜き』にすることで意味が正確に伝わる可能性が高」くなく、「らを抜くと意味が伝わりやす」くないことが説明されていない。

逆転していない(1)の「食べられる」「食べれる」についても、前者が可能・尊敬のいずれにも取れるのに対して、「食べれる」なら可能にしか取れない
例文の「こんなにたくさんは食べられない」は可能としか考えられないけれども、「少しですけど食べられますか」なら尊敬の可能性が高そうである。「たくさん食べられますか」だったらどちらとは断定できない。「食べれる」にすれば、可能に限定されるから、「意味が正確に伝わる可能性が高」くなるはずである。
これは(2)でも(3)でも同じである。そもそも「ら抜き」というのは、それによって可能動詞を作っているのだから、「意味が正確に伝わる可能性が高」くなるのは当り前のことである。
(2)はかなり拮抗しているけれども、(1)(3)にはかなりの開きがあって、「ら抜き」を使っているのはまだ少数派のようである。
「『ら抜き』にすることで意味が正確に伝わる可能性が高い言葉」であるのに「ら抜き」が一般化していないことばがあるにもかかわらず、それを考慮しないで、「『ら抜き』にすることで意味が正確に伝わる可能性が高い言葉」だから「ら抜き」が使われているのだ、というのは、いわば、りんご畑で「赤くなっている実はりんごばかり。りんごは赤くなりやすいのかもしれない」と言っているに等しい。
蛇足だが、記事に「文法上誤りとされる」とあるのには語弊がある。「ら抜き」は文法現象として明確なので、「文法上誤り」とは言えない。言語生活上、「誤り」と感じる人が多いか少ないかの問題に過ぎない。

コメントの投稿











管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://hoshinahouse.blog101.fc2.com/tb.php/1126-43629aba










上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。