『園芸家12カ月』

カレル・チャペック『園芸家12カ月』

園芸家12カ月

この本を読めば、正しい種蒔きの時期や肥料のやり方等々、ガーデニングに必要な知識が備わり、美しい草花を咲かせることができるようになる実用園芸本…ではまったくない。

タイトルが『園芸家12カ月』であって、『園芸12カ月』ではないところがミソ。
チャペック自身が園芸好きであったのは間違いなさそうだが、とはいえ書かれていることがチャペックの体験した事実とも到底思われない。非常にデフォルメされた、どこかにいそうな、でも本当はどこにもいないような熱狂的な素人園芸家の1年の心理・行動を、ユーモアたっぷりに描いた本である。

こと園芸家に限った話ではなく、何かに熱中している人(=マニア)というのは、他人から見ると理解することの困難な存在である。そういうマニアのありようを観察して、園芸家かくあるべしという1年の生活がつぶさに書かれている。ただし、そういう園芸家を馬鹿にして笑い飛ばすのではなく、共感と愛情を以って語られている。

園芸を心から愛して崇高な至上の趣味と心得て疑わない人にはお薦めしないが、自分に少しでも何かのマニアの傾向があると感じている人にはお薦めの本。

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