読書感想文の書き方(おまけ)

読書感想文の書き方(1)
読書感想文の書き方(2)
読書感想文の書き方(3)
読書感想文の書き方(4)
読書感想文の書き方(5)」のおまけ。


読書感想文とは直接の関係がないが…。

角川文庫版『坊っちゃん』の解説に、

それにたとえなま卵をたたきつけ、おもうさま殴りつけても、事態は少しも変わらない。顔の黄味は洗えば落ちるし、コブも数日すれば消えるのだ。そんなことに思いがいくと、「坊っちゃん」がガラリとちがって見えてくる。ニガ味が入り、社会批判がまじってくる。

という文があった。が、僕はそうは考えない。

確かに、顔を洗えば黄身(引用文中の「黄味」は漱石の用字)は落ちるし時間がたてば瘤も消える。それは間違いない。
けれども、中学校の教頭を勤めている、文学士であり地方の名士である赤シャツが、芸者と宿屋に泊ったのを待ち伏せされ、立てなくなるまで殴りつけられた事実がなくなることはないのである。
もちろん赤シャツの力を以てすれば、何とか事件を揉み消して、素知らぬ顔で通すことはできるだろう。だが、何しろそこは、団子や蕎麦を食ったり温泉で泳いだりしただけで、それがたちどころに知れ渡る土地柄である。この後、赤シャツが今までとまったく変わらない生活を送り、世間の尊敬を集め、マドンナと幸せな結婚をするということは、ありえないのではないか。赤シャツは、取り返しのつかない失態を犯してしまったのである。
そしてその頃、四国を去った二人は、無傷で東京と会津にいる。

そういうニュアンスを籠めて、最後に、読書感想文・全否定バージョン。
ただし、このようなものを書いて、小学校から呼び出しを食らっても責任は持たない。松山の人だったら特に。

 『坊っちゃん』を読んで、私は主人公の坊っちゃんがしたこと、言ったことには全然共感が持てませんでした。
 坊っちゃんは、四国の学校に行ってからすぐに先生たちにあだ名をつけますが、そのあだ名にはあまり好意が感じられません。特にうらなりやのだいこというあだ名には、相手をばかにしたような感じがあります。校長先生につけた狸というのも、ぼんやりした人とか、うそつきとか、あまり良く思われていない人につけられることが多いと思います。
 あだ名は、相手を呼ぶ時に、その人への親しみをこめて使うものだと思います。でも、坊っちゃんは、自分がつけたあだ名を、直接相手の人に向かっては使いません。好意で付けていないから、坊っちゃん自身も使えなかったのではないでしょうか。
 それに、坊っちゃんは先生として四国に来ているのに、その土地にとけこもうとしていません。生徒にしゃべるのが早すぎてわからないと言われてわかるまで待っていろと言い返したり、言葉の終わりに「なもし」とつけるのはその地方の言葉なのに、菜飯は田楽の時に食べるものだなどと言ったりします。
 一番良くないと思うのは、山あらしといっしょに赤シャツとのだいこに生玉子をぶつけたりなぐったりするところです。自分たちは悪者をこらしめた気で得意になっていますが、気晴らしをしただけだとしか思えません。
 この後、四国に残って学校のために赤シャツたちと戦うのなら、坊っちゃんたちのやったことは立派なことなのかもしれませんが、最後には結局、自分たちのふるさと、東京と会津に帰ってしまいます。だとしたら、ただの自己満足で無責任なことだと思います。
 東京が良いと決めつけて田舎をばかにする坊っちゃんの勝手さが、あだ名にも生玉子の事件にも出ているのではないかと思いました。



ところで、今日、帰宅すると、予想に反して娘が自力で読書感想文に取り掛かっていた。
まだ、「読書感想文の書き方(2)」の初期の段階で、50字にも満たない状態だが、それでも自分で取り組んでいる。
親馬鹿だが、我が子よ見直した。とにかく勉励努力し給え!

【12月19日追記】
原稿用紙バージョンを追加。

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