スーパーマーケット

どうも商店街には元気がない。スーパーマーケットに押され気味である。
が、我が家では、スーパーにも行かないことはないけれども、生活必需品の多くを、商店街の店や、トラックで売りに来る業者など、言ってみれば小さな専門店で賄っている。

ここのところ、いろいろな物の買い占めで、食べ物が手に入りにくくなっている。パンだの牛乳だのが、けっこう売り切れになっているようである。コンビニ(これもあまり行かないが)に入っても、食料品の棚はガラガラである。首都圏では、そんなに食糧事情は逼迫していないはずだが、強迫観念があるのだろう。
そんな中、スーパーでない、ふつうの小さな店は貴重な存在である。もちろん、小さな店の方が流通量が多いなどということは断じてない。ないものはない。むしろ少ない。が、小さな店には、小さな店にしかない良さがある。

先日、家内が行きつけのパン屋に行くと、食パンがすべて売り切れ(売約済み含む)になっていた。そのこと自体は、スーパーと同じである。売るものがないので、店の奥さんが、来た客を謝って帰していた。仕方がないので家内も諦めて帰ろうとすると、身振りと目配せで「ちょっと待って」と合図される。他の客が帰ると、売り切れたはずのパンが2斤出て来た。予約していたわけではないのだが、たぶん今日来るだろうと思って避けておいてくれたのである。こんなことは、スーパーでは起こらない。売り切れたら、それまでである。

牛乳は、トラックで売りに来る業者から買う。スーパーの特売品よりは高いが、通常品と比べれば、それほど高いわけではなく、しかもおいしい。
以前は1区画くらい先に停車していたのだが、今では我が家だけのために、我が家の建物の前に止まってくれる。決まった日のほぼ決まった時間に来るのだが、外出していて買えない時もあるから、毎回絶対に買っているというわけではないのだが。
11日に、家内が買おうと思って家を出た時に、地震が発生した。家に子供を残して出たところだったので、揺れが収まるとすぐに家に戻った(本当はすぐに戻りたかったのだが、揺れが激しくて動けなかったのである)から、その日は買うことができなかった。そしてその次の時には、外出していて買えなかった。
それで牛乳が切れて困っていたところ、その日の晩、御用聞きに来てくれた。ふつうはそんなことはありえないのだが、地震の日から続けて顔を見せないから、心配してくれたのだろう。しかも、時間的に考えて、ひと回り商売を終えた後で、わざわざ戻って来てくれたようである。もちろん帰り道と逆方向ではないだろうが、それにしても非常に難有かった。
ネットスーパーなら、宅配はしてくれるが、それは注文をするからで、けっしてこちらの事情を忖度して来てくれたりすることはない。

それでも、スーパーで買う人の方が、圧倒的である。スーパーで買い物をする人の多くは、「安いから」を理由にする。
たしかに、広告を見ると、商店街の店より安いものが掲載されている。が、本当にスーパーの方が安いのか?

肉屋。
スーパーの特売品よりは高い。だが、通常品と比べれば、大した違いはない。そして、スーパーの通常品と比べると、素人目に見ても、格段に物が良い。
それだけではない。たとえば100g200円の肉を300g買ったとする(値段は判り易い適当な数字である。普段買う肉は本当はもっと安い)。〆て600円也。これはスーパーでも同じである。目方をオマケしてくれるわけでも、値段をオマケしてくれるわけでもない。きっちり300g、きっちり600円である…のだが、渡される肉が、100g250円のものだったり300円のものだったりすることが、しばしばあるのである。もちろん請求される金額は、注文した通り、100g200円のまま。肉じゃがを作ろうと思って買って来た牛肉を見たら、あまりにもおいしそうだったので、メニューを急遽焼肉に変更したことさえある。
稀にステーキ用の牛肉を買ったりすると、これがもっと大変なことになる。だいたいそんなもの、何かのお祝いか、来客でもなければ買うことはない。それが判っているので、ご主人も、相当に奮発してくれるのである。頼んだもの(普通の「ステーキ用」)の2ランクぐらい上の「特上肉」なんていうものが、来たりすることもある。結果、客が、「こんなおいしい肉は食べたことがない」と言って帰って行く。お世辞も混じっているにせよ、本当に、ふつうならとても買えないような高級な肉が食べられたりするのである。もちろん、こういうことはごくごく稀にだが。
だから、我が家では、焼き肉屋へ行く気などは、まるで起こらない。

魚屋。
たしかに安いということはない。ご主人が、良い物しか仕入れないというポリシーを持っているから。だが、それだけに、スーパーの特売の魚とはわけが違う。本当においしい魚が食べられる。僅かな価格の差で、格段の品質の差のものを得られるのだから、けっして高いとは思われない。そもそも、魚1匹の値段が違うとはいえ、その1匹の大きさも、相当に違うのである。さらに、タイのアラだとか、フグの煮こごりだとか、商品ではないので値段はないものの、売るとすればそこそこしそうなものをしばしばオマケで付けてくれたりすることを考えると、価格にさほどの違いはないように思う。
それに、来客があったりした時に頼むと、まるで料亭のように、刺身をきれいに皿に盛り付けてくれる。しかも定休日であっても対応可。
余談だが、アンコウという魚は、吊るさないと捌けないものだと聞いた覚えがあったのだが、ご主人によると、そんなことはないという。ご主人曰く、吊るさないと捌けないのは、包丁を使う技術がないからで、きちんと包丁が使えれば、床に新聞紙でも拡げてその上に置けば、難なく捌けるのだそうである。まだ若い人だけれど、そういうプライドを持っている。

スーパーなら、一度でいろいろな買い物が済む、というメリットはある。上記の肉屋と魚屋はちょっと離れた所にあり、両方いっぺんに行こうとするとけっこう遠回りにはなる。が、肉と魚を同時に食べようとは思わないから、そのことに不便を感じたことはない。それに、肉屋の帰りには米屋に寄ることもできるし、魚屋の行き掛けに薬屋に寄ることもできる。さらに、どうしても行かれない時には、電話一本で、気前よく配達してくれる。もちろん配達料金などは掛からない。

問題があるとすれば、肉屋のご夫婦がやや高齢であることと、魚屋のご主人が、市場が築地から移転したら廃業する、と息まいていることくらいである。

で、何が言いたかったのかというと、日ごろから小さな店で買い物をしていると、何かあった時に何かをしてくれることがある、ということである。商店街を、馬鹿にしたものではない。
[ 2011/03/16 14:14 ] | コメント(0) | TB(0) |  TOP△

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