蠅帳(その2)

「蠅帳」のエントリで取り上げた、岡本かの子の「鮨」より。

その翌日であった。母親は青葉の映りの濃く射す縁側へ新しい茣蓙を敷き、俎板だの庖丁だの水桶だの蠅帳だの持ち出した。それもみな買い立ての真新しいものだった。
 …
蠅帳の中には、すでに鮨の具が調理されてあった。母親は素早くその中からひときれを取り出してそれからちょっと押さえて、長方形に握った飯の上へ載せた。


最初に読んだ時、「蠅帳」と言ってまず思い浮かべたのは、実はこんなものである。

有機卓上キッチンパラソル 〔蝿帳・卓上蚊帳〕

食卓においた料理に蠅がたからないように、上に被せておくカバーのようなものである。
縁側に俎板やら庖丁やらと一緒に並べて、鮨の食材を入れておくのには、こういうものがうってつけだろう。

が、さらに読み進めて行って、アレっと思う箇所に出くわした。

母親は、また手品師のように、手をうら返しにして見せた後、飯を握り、蠅帳から具の一片れを取り出して押しつけ、子供の皿に置いた。


片手に飯を握ったまま、上記の蠅帳を持ち上げて、中から具を取り出して元に戻すことは難しい。やってできないことはないかもしれないが、すくなくとも「素早く」行なうことは無理である。

そこで改めて件の文庫の注を見てみると、「ハエなどが入らないように網を張った小さな食品用戸棚」とあった。
つまり、こんなものである。
KOEKI 和風蝿帳  KH-470
こっちだったか。
こういう戸棚型のもので、もっと小さな物もあるけれども、縁側に持ち出すには少々大仰ではないか? という理由で、ハナから除外していた。

エラそうなことは、言えないものである。

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