読書感想文の書き方・その2(4)

承前

あらかた書く内容は出し終えたので、書き始めることにする。

読書感想文コンクールで入賞しようと思ったら、書き始めからしてありふれたものであってはいけない。他の子とは違う、読者の心に訴えかけるような書き方をしなければならない。
たとえば、こんなふうに。

おきゃくさんが山ねこにかわっていたのにきがついたとき、まついさんは、どうおもったんだろうね。きっととてもびっくりしたとおもうよ。ぼくだったら、ハンドルをきりそこねてじこをおこしてしまったかもしれない。だって、それまでふつうのおとこの人だとおもってうんてんしていたんだからね。びっくりするのがあたりまえさ。


小学1年生がこんな文章を書くか? とお思いの方もあるだろうが、実際には、こんな感じのものが、存外、ある。
だが、ぼく個人としては、こういうものを子供が書くというのはかなり気持が悪い。
むろん、自力でこんな書き出し方をできる子供もいるのだろう。が、何となく、書かされている感を払拭できないのである。

小学1年生なら、次のようなものが常道だろう。

あまんきみこさんの『白いぼうし』という本をよみました。この本には8つのおはなしがはいっています。ぜんぶおもしろいのですが、その中でも一ばんおもしろかったのは、「山ねこ、おことわり」というおはなしです。


こんな書き出しは、無駄といえば無駄である。
読まなければ感想文は書けないのだから「よみました」と書かなくても判るし、この作品を感想文の対象にしたのも面白いと思ったからである。つまり、当たり前のことを書いているだけのことである。
コンクールで入賞するような感想文には、こんなありきたりなものはあまりない。「読書感想文の書き方」講座としては、むしろ避けるべき悪い例だとも言えるだろう。
だが、小学1年生なら、誰でも書きそうな冒頭ではないか。「良い読書感想文」であれば、こんなことは書くべきではないかもしれないが、一般的な小学1年生の感想文には、あって然るべきだろう。
小学1年生が、小学1年生らしい文章を書くのは、悪いことではない。

ここでは、コンクールで入賞することを、目的としているわけではない。「良い読書感想文の書き方」ではなくて、あくまでも「読書感想文の書き方」である。
読書感想文を何とか自力で書き上げることができるようなやり方を、教えようとするのである。良い感想文に仕上がるに越したことはないけれども、それは結果であって、かならずしも目的ではない。だから、後者の方向で、進めることにする。

小学1年生にとって、400字といえば十分長文である。初めて書く長文で、無駄を完全に削ぎ落とした文章を書こうとするのが、無理である。自力で書き上げるためには、こういう無駄が、不必要だとは言い切れない。
無理して、背伸びをするべきものではない。

続く

とても魅力的な記事でした。
また遊びにきます。
ありがとうございます!!
[ 2011/09/04 19:33 ] [ 編集 ]

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