朝夷奈切通(導入)

30年以上ぶりに朝夷奈(朝比奈)切通を歩いた。横浜市金沢区朝比奈と鎌倉市十二所(じゅうにそう)との間にある古道である。
この切通は、鎌倉幕府の第3代執権・北条泰時(1183-1242)が作らせたもので、政治の中枢・鎌倉と、物資の集積地であった要衝・六浦(むつうら、古くは「むつら」と言ったようである)とを結ぶ、重要なルートだった。朝比奈三郎義秀が一夜にして山を切り開いたという伝説もある。
自動車はもとより、車輪の付いたものが通れるようなところでは到底ない。それだけに、鎌倉時代に切り開かれたままの姿(と言ったら言い過ぎだが)を残した閑静な場所である。
昭和44年に、国の史跡に指定されている。

実はここは、実家から歩いて20分程度のところにあるのだが、小学生の時に、朝比奈側から1回、十二所側から1回歩いたっ切り、その後行ったことがなかった。しかも、十二所側からの1回は、今回歩いてみて思い出したので、1回しか行ったことがないと思っていた。いずれにしても、主体的に訪れたものではない。あまりにも近いところだと、それも特に子供のうちだと、ありがた味が沸かないものである。

東京に越してから、行きたいと思う気持ちが段々強くなってきて、今回、漸く実現した。子供(特に小学1年)が歩くかどうかが気懸りだったのだが、珍しい体験だったからか、良く歩いてくれた。

今回は、実家から徒歩で行ったのだが、一般的な行き方を書いておく。
京急線の金沢八景の駅から、京急バス「鎌倉駅」行、あるいは、神奈中バス「大船駅」行(「庄戸」「上郷ネオポリス」「本郷車庫」行も可。ただし本数は少ない)に乗って、「朝比奈」バス停で下りると、朝夷奈切通の入口はすぐそこである。

これが、切通の最も近くまでバスで行くルートなのだが、「朝比奈」のひとつ手前(八景寄り)の「大道中学校前」で降りて、まず下記の場所に立ち寄ることをお勧めする。
ひとつ手前といっても、歩いて5分も掛からないから、降りてみる価値はある。それに、「大道中学校前」には、京急バスの「大道中学校前」行、「三信住宅」行も停まるから、乗るバスの選択肢が拡がるという利点もある。その分早く着けば、「鎌倉駅」「大船駅」行を待つ程度の時間で、見学できるものがあるのである。

鼻欠地蔵。

鼻欠地蔵

風化して、言われなければ磨崖仏とは気がつかないような状態のうえ、道路拡張に伴って膝から下(と思われる部分)が削られてしまって、痛々しい感もあるが、貴重なものであるのには違いない。
なお、僕が小学生の頃には、すでにこんなお姿になっていた。

ハナカケ地蔵と呼び習わされているが、鼻が欠けてしまったお地蔵様ではなく、自らの意思で鼻を欠いたお地蔵様である。

何故、お地蔵様がそんなことをしたか、というと…、

このあたりは、武蔵の国と相模の国の国境いだった。そこで、豊かなこの地を巡って、それぞれの国の住人の間で地所争いが度々起こっていた。
それを耳にした旅の僧が、岩肌に大きな仏像を彫り、その鼻を国境いと決めて争いを止めるように諭した。
ところが、鼻が高い場所にあるため、境界がはっきりとせず、お互いが自分たちの都合の良いように主張し合って、争いが止むことはなかった。
自分の鼻が争いの原因になっていることを悲しんだお地蔵様が、鼻を欠いて落とした。それを見た住人たちは、争いを止めた。

と、いうことである。
つまり、この地蔵を境に、東が武州、西が相州である。それで、古くは「界地蔵」とも呼ばれたらしい。

一説に、地域の人たちの信仰が厚く、常に花が供えられていたため、「花掛地蔵」「花立地蔵」と呼ばれていたのが変化した、という話をどこかで読んだ気がするのだが、定かではない。

今日はここまで。
僅か小一時間の散策だが、暫くこのネタを引っ張る…予定。

続く
[ 2011/08/10 22:23 ] 旅・散策 散策 | コメント(0) | TB(0) |  TOP△

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