『地下鉄のできるまで』

電車好きの子供に特にお勧めの1冊、その4。

加古里子『地下鉄のできるまで』

地下鉄のできるまで (みるずかん・かんじるずかん―銀の本)

これまでに幾つか、ちょっとマニアックな子供向けの鉄道の本を紹介して来たが、これはそれらに増してマニアックである。
この本の何が良いと言って、地下鉄の本なのに、電車がほとんど走らないことである。何しろ、「地下鉄のできるまで」の本だから、地下鉄の話ではなくて、地下鉄のトンネルを掘る話なのである。

地下鉄のトンネルを掘るのには、大きく分けて開削工法とシールド工法がある。
この本には、それぞれの工法の工事の進め方が詳細に描かれている。
開削工法では、工事が進むにつれ、作業する車両の種類が変化して行くのが面白い。
シールド工法では、シールド掘削機の組み立て方や各部の説明など、異常なまでに細かいことが描かれている。
また、そのほかの特殊な工法についての説明まである。
むろん、細かいところは飛ばして読んでも支障はないから、子供に読み聞かせる場合、着いて来られないようなら省略しても構わない。

地下鉄に乗っていると、トンネルの丸いところと四角いところがある。子供のみならず、僕も気になっていたのだが、これがトンネルを掘る工法の違いによるものらしいことを、この本によって知った。
地下鉄の線路に上り下りの坂があることには気づいていたが、それにも合理的な理由があった。

この著者の特徴だが、一見関係なさそうなところまで、細かく描き込まれているのも実に楽しい。たとえば、地下鉄工事起工式をやっている場所の隣のビルの屋上で体操をしている人がいたりすることなど。

子供はとても興味を持って喜んで読んでいるが、大人でも、地下鉄の電車をどこから入れるのか気になって寝られなくなっちゃうような人にはおススメめの本。

なお、余談だが、都営地下鉄新宿線の工事の最中に、現在の浜町駅(東京都中央区)の附近で、ナウマン象の化石が発掘された。これは、この本に書いてあることではないが…。
[ 2011/10/30 21:12 ] 本と言葉 子供の本 | コメント(0) | TB(0) |  TOP△

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