『大坂城』

宮上茂隆・穂積和夫イラストレーション『大坂城 天下一の名城』

大坂城―天下一の名城 (日本人はどのように建造物をつくってきたか 3)

中1の娘が夏休みの課題図書を借りに行くのに付き合って、地元の図書館に行った。その際に見つけた本。

シリーズのタイトル「日本人はどのように建造物をつくってきたか」から判るとおり、本書は大坂城を建築史の観点から扱ったものである。
図書分類上、児童書・絵本に当たるのだろうが、かなり専門的とも思われることが詳細に書かれている。ここまで精緻に書かれていると、大人でも十分楽しめる、と言うより、むしろ大人の方が楽しめるのではないか。
単に大坂城の構造の説明に止まらず、それぞれの建物の意義が、歴史的背景も含めて描かれている。大阪城が、どのような意図で造られ、どのような変遷を辿ったかを、つぶさに知ることができる。大坂城を通して見た戦国時代史が語られていると言っても過言ではない。

とは言え、そういう深い内容であるにもかかわらず、子供にも判り易いように、極めて平易な口調で語られている。ルビが多いのは、子供だけでなく、門外漢の大人にとっても非常に難有い。

さて、表紙のイラストの大坂城は、現在見る大坂城とはだいぶ違う。秀吉の時代に建てられた大坂城は、信長の安土城がそうだったように、現在の松本城や岡山城のような黒壁の天守閣だったのである。
現在の大阪城の天守閣は、昭和初期に再建されたものだが、それは幕末の鳥羽伏見の戦いで焼失した、すなわち、徳川秀忠~家光の時代に再建されたものを基にしている。

なお、このシリーズには、ほかに『平城京―古代の都市計画と建築』『奈良の大仏―世界最大の鋳造物』など、とても興味深いものがラインナップされている。いずれも、穂積和夫のイラストによる。
是非、それらも読んでみたい。
[ 2012/07/24 21:51 ] 本と言葉 歴史の本 | コメント(2) | TB(0) |  TOP△

こんにちは。
なんとおもしろそうな本!!!
ぜひ読んでみたいものです。
探してみよう。メモメモ…
[ 2012/07/25 11:31 ] [ 編集 ]

Re: みゅった さん

観光案内としての城郭の本はたくさんありますが、こういう観点からのもの、しかも判りやすいものは少ないのではないかと思います。おススメです。
[ 2012/07/25 20:21 ] [ 編集 ]

コメントの投稿











管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://hoshinahouse.blog101.fc2.com/tb.php/564-4ecc673f