「漢字書けない」

「漢字書けない」、6割超=情報機器普及で大幅増-文化庁

携帯電話などの情報機器や電子メールの普及で、漢字を正確に書く力が衰えたと感じる人が66.5%に上り、10年前より25ポイント以上増えたことが20日、2011年度の文化庁の国語に関する世論調査で分かった。
同庁国語課は「機器の普及を反映し、今後も増えると予想され、大きな課題だ」としている。
調査は2~3月、全国の16歳以上の男女を対象に面接方式で行い、2069人から回答を得た。
機器の普及による情報交換手段の多様化が、日常生活に与えた影響について尋ねた。その結果、年代別では40代で「漢字を書く力が衰えた」と感じる人が最も多く、79.5%に上った。
同じ質問をした前回の01年度調査では、30代の57.7%が最多だったが、今回は20代から50代全てで7割を超えた。「特に思い当たらない」は21.4%から7.7%まで減った。
(後略)(2012/09/20-17:06)(時事ドットコム)


こういう話題は、話半分に聞いておいた方が良い。
「漢字を正確に書く力が衰えたと感じる」というのは、あくまでも感覚の問題である。そう感じる人が増えたからと言って、本当に漢字を書く力が衰えているかどうかは判らない。
そもそも、「携帯電話などの情報機器や電子メールの普及」する前に、どれだけ手書きで手紙を書いていたのか、疑問である。毎日ポストを覗く度、必ず誰かからの手紙が届いていた経験のある人など、滅多にいないだろう。

漢字検定の受験者が激増したのはちょうどここ10年ほどのことで、それに伴って、漢字を書く機会が増えている。ただしそれは、日常生活の言語生活においてというより、漢検を含めたクイズ的なものとして、書く力を試す機会が増えているということである。
日常生活においてなら、難しい漢字は書かなければ良い。「曖昧」や「挨拶」という字が判らなければ「あいまい」「あいさつ」と書いておけばそれで済む。これは、漢字を「書かない」だけである。かなで書く限り、自分がその字を漢字で正確に書くことができるか、ということは、あまり意識には上らない。
が、「あいまい」「あいさつ」を漢字で書け、というクイズ的なものなら漢字で正確に書かなければ不正解なわけだから、自信がなければ「書けない」と感じることになる。
今、世の中にはそういうクイズ的なものが溢れているから、元から書けなかった字が書けないだけで、「漢字を書く力が衰えた」と感じる可能性は多分にある。
それに、最初からかなで書いていれば気にならないものでも、パソコンやケータイで変換されて出て来ると、「あっ、この字、書けない」と初めて気づくことも多いだろう。

長期的に見れば、「漢字を書く力が衰えた」というのは事実なのに違いないが、文化庁たるもの、2000人程度の人の感想を聞いて、「機器の普及による情報交換手段の多様化が、日常生活に与えた影響」というような大問題を発表してしまうのは、いかがなものかと思うのである。

続く

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