「暗剣白梅香」

今日、時代劇専門チャンネルで『鬼平犯科帳』をやっていたのをたまたま見た。中村吉右衛門ではなく、先代の松本幸四郎(白鸚)主演のもので、話は「暗剣白梅香」。
中で、長谷川平蔵の暗殺を依頼した元締・三の松平十と辻斬り・金子半四郎が人気のない社で落ち会う場面があったのだが、注目すべきことに、そこに狛犬が登場した…といっても、『鬼平犯科帳』を見ていてそこに注目する人はほとんどいなかろうが。

さて、登場した狛犬は、こんな感じのものだった。

妙見山別院

画面が白黒で闇夜の場面、しかも狛犬をアップで撮っているわけでもないのだから定かには言えないが、新しそうな感じで、白い狛犬の姿が浮かび上がっていた。
もちろん、いつの時代でも造りたての狛犬はいて当然だから、時代劇に真新しい狛犬が出て来たとしてもまったく不思議ではない。
が、上記のものは昭和40年代以降に量産されたタイプで、当然ながら平蔵在世の1700年代後半には、こういう姿の狛犬はなかった。
「暗剣白梅香」が放映されたのは昭和44年(1969)、ちょうどこのタイプの狛犬があちこちに建てられ始めた頃のことである。

きちんと時代考証をしていれば、こういうタイプの狛犬が『鬼平犯科帳』に登場することは…いや、そんなことに注目する人はほとんどいないから、どうでも良いことである。ただ、薀蓄を語ってみたかっただけである。
なお、写真の狛犬は、能勢妙見山別院(墨田区本所)にあるもの。
[ 2012/10/30 16:09 ] 狛犬 その他 | コメント(4) | TB(0) |  TOP△

なるほど・・・

最近のHOSHINAさんのブログで勉強してちょいとわかるようになってきました・・・
[ 2012/10/30 22:37 ] [ 編集 ]

僕も前に「龍馬伝」の書のことを書きましたが、こういうのって気になりますね。
そんなこと言ってたら、チョンマゲの形が違うだの、服装が違うだのいろいろでてきちゃうんでしょうけど。
「寺内貫太郎一家」は石屋の話だから、店頭に狛犬が置いてあったけど、新昭和ではありませんでした。
時代背景からすると、新昭和でもおかしくないんですが、手彫りにこだわる石屋という設定だからでしょう。
[ 2012/10/31 00:06 ] [ 編集 ]

Re: 三友亭主人 さん

それが判って来ると、狛犬を見るのが楽しくなって来るんですよ。それまでは似たようなただの石の置物だったものに、個性を感じられるようになるわけですからね。
もっとも、それは何にでも当て嵌まることで、狛犬に限ったことではないですが。
[ 2012/10/31 23:38 ] [ 編集 ]

Re: 中川@やたなび さん

以前、ある国史の大家からテレビの時代考証をやった時のことを聞いたんですが、平安朝を舞台にしたドラマで竹とんぼを飛ばす場面がある。そんなものは当時なかったということを強く主張して、実際にあった遊びまでいくつか提案したそうです。スタッフも了解したようなことを言っていたにもかかわらず、放映されたドラマを見たらしっかり竹とんぼが出て来た。演出上、皆で空を見上げる必要があったらしく、重要なシーンだったんだとか。史実より演出を優先させたんですね。
狛犬については、まさか池波正太郎もそんなことを突っ込まれるとは思っていないでしょうから、揚げ足取り以外の何物でもないんですが…。何しろ闇夜に真っ白な狛犬が浮かび上がっていて気になってしまったもので…。
[ 2012/10/31 23:41 ] [ 編集 ]

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