バカの壁

10年ほど前にベストセラーになった書籍のことではない。

地下鉄の九段下駅は、都営交通・新宿線と東京メトロ・半蔵門線のホームが隣接しているのだが、その間は壁で仕切られていて、乗り換えるためには一々階段を昇り降りして改札を出入りしなければならなかった。それを東京都の猪瀬直樹知事が「バカの壁」と呼んだ。
その壁を撤去する工事は、東京の地下鉄の経営一元化論者である知事の副知事時代から行なわれていたのだが、それが先月完了し、今日(16日)からは乗り換えの際に改札を通る必要がなくなった。
東京の地下鉄にあまり乗る機会のない人が報道を見聞きし、路線図を見ているだけなら、画期的な大工事のように思えるかもしれないけれども、一元化推進の象徴的な出来事ではあるにしても、実用的にはそれほどのことでもないように思う。

隣接するホームは、新宿線が上り(新宿方面行)、半蔵門線が下り(押上方面行)である。新宿へ向かっていた人が渋谷とは反対方向に折り返せるとしても、九段下から東側は、多少離れているとはいえかなりの部分が並行して走っているから、後戻りしているような状態になる。それに、そのあたりではこれまでもいくつかの駅で乗り換えが出来ていたから、九段下での乗り換えが容易になったしても、それで格段に便利になったとも思われない。
逆に、渋谷方面から来て新宿方面に折り返す場合でも、メリットがあるのは、半蔵門で乗って市ヶ谷・曙橋・新宿三丁目のいずれかの駅で降りる人ぐらいなのではないか。それ以外の駅で乗り降りするなら、単に遠回りしているだけの気がする。
新宿線の新宿方面行に乗っていて半蔵門線で渋谷へ行く人なら、九段下での乗り換えが便利になれば難有いとは思うだろうけれども、この乗り換えの場合、改札を通る必要こそなくなったものの、上り同士のホームは分れているから、階段の昇り降りは必要である。今まで一つ手前の神保町駅で乗り換えていたのが、九段下で乗り換えても良いかと思えるようになった程度の違いである。

むろん、改札を通らずに済むのならそれに越したことはないのは確かである。それに、これまで半分に仕切られていたホームが繋がったことで幅員が拡がった利点は見逃せないだろう。が、それに12億円の工費に見合った価値があるかどうかは何とも言えないところではある。
[ 2013/03/16 21:53 ] 理屈・屁理屈 | コメント(2) | TB(0) |  TOP△

こんにちは〜

たしかに…
あたしは九段下駅はあまり利用しませんが
画期的な変化があったようには…(´-ω-`)

誰から見ても必要なものにお金は使ってほしいものです…
[ 2013/03/20 07:57 ] [ 編集 ]

Re: みゅった さん

ホームが広くなったのは無意味ではないと思うんですが、報道等で言われているほどの意味はないように思います。一種のプロパガンダですね。
絶賛している人は、猪瀬知事を含めて実際に乗り換えしていないんじゃないですかね。
[ 2013/03/20 08:59 ] [ 編集 ]

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