『聖なる酔っぱらいの伝説』

ヨーゼフ・ロート『聖なる酔っぱらいの伝説 他四篇』

聖なる酔っぱらいの伝説 他四篇 (岩波文庫)

暫く前に新刊が平積みになっているのを見て、タイトルに何となく惹かれて購入した。
著者は、ナチスの台頭により亡命生活を送った放浪のユダヤ人作家だそうである。
まったく知らなかった作家だし、正直なところ、5篇の短篇の内には何だかまるで理解できないようなものもあって、読み了えるまでに大分時間を要してしまった。
ただ、共通しているのは、場面転換の妙と言えるだろうか。嵌ってしまえば、次々に移り変る展開に、息付く暇もなく読み進んでしまう。嵌り損ねると、随いて行けずに時間が掛かってしまうのだが…。
借りた金を聖女テレーズに返そうとしながらその金で飲んでしまう酔っ払いを描いた表題作と、オーストラリア鉄道の駅長の数奇な運命を描いた「ファルメライヤー駅長」は、嵌ってしまった方の例である。
何より、池内紀の訳が良い。

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