スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | | CM(-)TB(-) |  TOP△

『伊勢物語の表現を掘り起こす』

小松英雄『伊勢物語の表現を掘り起こす《あづまくだりの起承転結》』(笠間書院)を読み了えた。

この本、実は本日現在、まだ発売されていない。
8月7日に池袋のジュンク堂で開催された、著者によるトークセッション「『伊勢物語」をみずみずしく甦らせる」を聴きに行って、そこで先行発売されていたのを購入したのである。

トークセッションは一般の人向けなので、かなり平易に話されていて判りやすかった。
ただし、である。
著者が何かの本で「膝を叩くと思考は停止する」というようなことを書いていた。
膝を叩いた瞬間に、疑いの気持ちは霧散し、絶対の真理を見つけたような気になって、自分で考えることを放棄してしまう。今回のトークセッションでも、思わず何度も膝を叩いてしまった人が多かったのではないだろうか。

本書においても然り。とにかく膝を叩くのを我慢して読まなければならない。
著者は、書いてあることを読者が鵜呑みにすることを期待しているのではなく、本書に書かれているような方法で、自分で作品を読むことができるようになることを期待しているのである。

本書の内容をひとことで言うなら、日本の古典に少しでも興味のある方であれば読んだことがないということはないであろう、無数と言って良いほどに注釈書が刊行されている、教科書でも習ったことがある…etc.の伊勢物語を、根本から読み直してみよう、というものである。
初段から第15段までに限定されているが、誰もが知っている有名な章段の大半がこの部分に収められているから、専門でない方も興味を持ちやすいと思う。

あまりにも有名な作品で、解き明かされていないことなど何もない、と思ったらさにあらず。学説として、頷けるところ、頷けないところ様々あるし、さほど問題がないと思われる箇所は簡単な内容の説明に終わっているようなこともあるけれども、既存の注釈が疑いを差し挟まないようなところでも、白紙の状態で徹底的に読み直そうとしているのには頭が下がる。
80歳超の老人(著者)の方が、40台半ばの僕よりも頭が柔軟なように思えてならないのは、少々複雑な気持ちだが…。

先に、膝を叩くのを我慢すべきことを書いたが、実際のところ、本書を読みながら、膝を叩きたくなる衝動を抑えるのはなかなか容易なことではない。
僕も膝を叩きたくなっているところが多々あるのではあるが、もう少し冷静になって改めて考え直してみるつもりである。

専門の方にも、専門でない方にもお薦め。


8月14日追記
誠に光栄なことに、本書を著者から頂戴しました。ありがとうございました。
8月15日追記
笠間書院のブログに、トークセッション当日の様子がアップされていた。
8月17日追記
アマゾンで販売を開始した。
伊勢物語の表現を掘り起こす―“あづまくだり”の起承転結伊勢物語の表現を掘り起こす―“あづまくだり”の起承転結
(2010/08/17)
小松 英雄

商品詳細を見る

コメントの投稿











管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://hoshinahouse.blog101.fc2.com/tb.php/8-5f21eec8










上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。