『歴史をつかむ技法』

山本博文『歴史をつかむ技法』

歴史をつかむ技法 (新潮新書)

何でも、ずいぶん売れているらしい。10月20日の発行で、30日には第2版が出ている。

正直に言うと、この内容を新書1冊で書こうとするのは無理がある。少なくとも、この倍くらいの分量は必要だろう。従来の歴史書が、「概説書でさえ最初からものごとを細かに記述しすぎる弊がある」(序章)のが、歴史を俯瞰的につかむことができにくい原因であったとしても。

それはそれとして、非常に面白い。時代区分の意味とか、用語の規定の仕方とか、天皇制についての理解とか、成程と思わせるものがある。
それに、僕の専門に近い摂関政治の本質については、(著者の専門領域ではないようだが)大いに共感できる。

もっとも、帯にある、
 鎌倉時代に「幕府」はなかった!?
 江戸時代には「藩」も「鎖国」もなかった!?
などという宣伝文句に騙されてはいけない。とはいえこれは悪口ではなく、本書はそんな雑学的な興味を満たすことを目的としたものではないということである。
嘗て、鎌倉幕府の成立を、源頼朝が征夷大将軍に任じられた1192年とするのが常識だったのが、最近では他の年号(1185年など)も教科書に載せられているらしい。著者は、それを歴史の本質ではなく、大した問題ではないと喝破する。
それだけでも、本書を読む価値があるのではないか。
[ 2013/11/26 22:08 ] 本と言葉 歴史の本 | コメント(0) | TB(0) |  TOP△

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