経過と結果

自分の専門範囲でもないものを、ゴダゴダ言うのも如何なものかとは思いつつ、専門云々以前の部分で物を言う。

最近、革新的な分野の研究について、不正だとか捏造だとかいう調査結果が報告されている。
それに対して、調査された側は不注意だとか単純ミスだとか、禁止されているとは知らなかっただとか主張しているらしい。
個人的な印象としては、故意や悪意があったとしたらあまりにも稚拙だから、意図的なものではなかったのではないかと思っているのだけれども、「知らなかった」というのは大きな問題で、この時点で研究の信憑性が、大きく揺らいでいるのは間違いはない。
本人の主張は、経過に問題があったとしても結論は正しい、というようにも見えるのだけれども、素人なら結果オーライのまぐれ当りでも評価の対象になるとしても、プロにとっては結果の出し方すなわち経過の確かさが必須である。それを知らなかったとしたら、出した結果がどれほど優れていても、プロの仕事とは呼べないだろう。
一方通行の道を自動車で逆走して、逆走してはいけないとは知らなかったと言い張っても、この主張は通らない。そのくらい、初歩的なことである。法律違反という意識や危険性の認識がまったくなかったとしても、知らなかった非は素直に反省しなければならない。
ただ、逆走の危険性を教えられたことがなく、頭に思い浮かべたこともなかったとしたら、反則切符を切られても、不満以外の感情は沸いて来ないかもしれない。もちろん、それを教えられていなかったのだとしたら、教えなかった教習所にも致命的な問題がある。

ところで、判らないのは、論文を撤回する、しないの議論である。
撤回しようがしまいが、正しいものは正しいし、間違っているものは間違っている。正しいかどうかは、第三者によって検証されるべきもので、本人が撤回しなかったとしても、間違いであることが立証されれば、それでオシマイのはずである。
悪意のあるウソならともかく、杜撰な間違いだったとしたら、撤回しなければならない論文は、ほかにいくらもあるだろう。撤回しなくても、価値のない論文なのであれば誰にも相手にされなくなるだけのことなのだから、それを周りから撤回を迫る意味が判らない。
不備のある論文を認めたままだと、自身の権威に関わるから、厳しく断罪して失墜した権威を少しでも回復しようと、予定調和の調査結果を発表したように感じられてならない。

[ 2014/04/03 00:23 ] 理屈・屁理屈 | コメント(2) | TB(0) |  TOP△

なんか、ゴタゴタ言いたくなっちゃうのは、人文科学だったらありそうだし、あったとしても話題にならなそうなことが、自然科学であったからなんでしょうね。
撤回といえば、一時期博士論文の撤回まで報道されてたけど、そんなことできるんだろうか。
[ 2014/04/07 17:42 ] [ 編集 ]

Re: 中川@やたナビ さん

もう少し書こうと思ってやめたんですが、気になっているのが、「不正」とか「捏造」とか「悪意」だとかいうことばの使い方です。相手をダマしてやろうという意志がなければ善意だ、というのは甚だ学問的ではありません。

〉一時期博士論文の撤回まで報道されてたけど、…

もちろん本人が取り下げるといえばできるんでしょうけど、一旦授与したものを、そう易々とは取り消せないでしょうね。取り消すべきとも思いませんが…。
[ 2014/04/07 20:27 ] [ 編集 ]

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