紺紙金字一切経

平安期の金字経から真ちゅう 制作者、費用ごまかす?

にかわで溶いた金粉で写経したとされていた平安時代後期(12世紀)の経典「紺紙金字一切経(荒川経)」を分析したところ、真鍮(ちゅう)が大量に使われていたと奈良大学(奈良市)が21日発表した。調査した東野治之教授(文化財史科学)らは「経済的、宗教的な理由とは考えにくい。制作者が施主に無断で金の代わりに使い、費用を浮かせたのでは」とみている。

日本では江戸時代に普及したとされる真鍮が、当時金の代替素材として使われていたことを示す発見という。(日本経済新聞)


本文中で「真鍮」にかなが振られているけれども、それよりむしろ、「紺紙金字一切経」に必要だろう。「こんしきんじいっさいきょう」と訓む…のだそうだ。
それはそれとして、下衆の興味として、非常に面白い。「費用を浮かせた」のが事実だとして、「施主に無断」なのは間違いないとしても、本当に制作者だけが利益を得ようとしたのか、はたまた…などなど。

なお、毎日新聞の記事を見ると、若干だがニュアンスが違う。

東野教授は「他にも真ちゅうを使った金字経や金製品が出てくる可能性がある」と指摘。西山教授は「真ちゅうは平安後期、金ほどではないが貴重な素材だったと考えられる。金属工業史の空白を埋める発見だ」と話している。


真鍮も貴重品だったとすると、制作費のちょろまかし、という下賤な興味は若干削がれるけれども、それはそれで重要な発見らしいから、興味深いニュースであるのに違いない。
[ 2014/04/22 22:56 ] 歴史 | コメント(4) | TB(0) |  TOP△

制作費のちょろまかしがあったと考えた方が
なんとなく人間味があって面白いんですがね。

なんどか実物を目にしたことがあるものだけに興味深いニュースでした。
[ 2014/04/23 21:30 ] [ 編集 ]

Re: 三友亭主人 さん

制作者のちょろまかしだけではなくて、受け入れ側もグルになっていたんじゃないかなぁ、と何の根拠もなしに想像してみたりしています。それこそ正に下衆の勘繰りですが…。
[ 2014/04/24 22:36 ] [ 編集 ]

真鍮ってどの程度使われていたんですかね。
真鍮は加工がしやすいから、単に安上がりにするために使うんなら、もっと真鍮製品がでてきてもよさそうに思います。
これ、鳥羽法皇の菩提を弔うためのものでしょう。
鳥羽法皇愛用の真鍮製品を壊して書いたとかじゃないかな。
[ 2014/04/26 18:12 ] [ 編集 ]

Re: 中川@やたナビ さん

加工は楽でも、真鍮そのものを作ることが難しかったみたいです。そう考えると、ちょろまかしてもそんなに利益は出ないような気もします。ちょろまかしの方が面白いんだけど…。
日本で真鍮を作る技術が普及したのが江戸時代らしいことを考えると、大陸から輸入した貨幣でも使ったんでしょうかね?
[ 2014/04/26 21:12 ] [ 編集 ]

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