『とぶ船』

ヒルダ・ルイス『とぶ船』

とぶ船〈上〉 (岩波少年文庫) とぶ船〈下〉 (岩波少年文庫)

ピーターがラディクリフの町の小さな店で「いまもっている金ぜんぶと――それから、もうすこし」で手に入れた魔法の船で兄弟たちと冒険の旅に出る物語。
空を飛んでどこへでも行かれる、時代も超えて行くことができる不思議な魔法の船…などというと、子供騙しの幼稚な童話と思われるかもしれないけれども、そうそう安っぽい話では、毛頭ない。

とぶ船に乗って様々な冒険をするところは、文句なく楽しい。子供が読んで面白いものであることは疑う余地がないけれども、それだけでは終わらない。
大人が読んでも大人なりの楽しみ方が出来る。
ピーターが魔法の船の元の持ち主に、いつかかならず船を返すと約束するところや、「仲間」になったウィリアム征服王の時代の国王の娘マチルダとの別れの場面には、切ない郷愁の念を禁じえない。

石井桃子による訳文も、1953年のものであるにもかかわらず、少しも古びていないのが良い。
[ 2014/06/29 18:45 ] 本と言葉 子供の本 | コメント(0) | TB(0) |  TOP△

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