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「ずは」

「ずは」は古くは打消の助動詞「ず」に接続助詞「ば」が付いたものとして、「〜なければ」の意に解されていたけれども、現在では、「は」が清音だったことが明らかにされている。つまり、これは係助詞で、「〜ないで」と訳すべきことになる。
が、僕が学生時代に教わったある先生は、「ずは」には「ズワの『ずは』」と「ズバの『ずは』」があって、「ズバの『ずは』」は逆接で訳すのだ、と言われていた。係助詞「は」だから清音で訓むけれども、訳す時には逆接の接続助詞「ば」のようにする、というのでは、文法も何もあったものじゃない。どうにも筋が通らない。

もっとも、そう言いたい気持ちもまったく判らないわけではない。逆接の接続助詞のように訳した方が、しっくりするようにも思われる例があるのである。
たとえば、こんなものである。

龍の首の玉、取りえずは、家に帰り来な。(竹取物語)


「ズワの『ずは』」として「龍の首の玉を、取ることができないで、家に帰って来るな」と訳すよりも、「ズバの『ずは』」として「龍の首の玉を、取ることができなければ、家に帰って来るな」と訳した方が、確かに判りやすい気がする。が、現代人の感覚で判りやすいからといって、それがすなわち古代人の思考であるとは限らない。

さて、このエントリを書く切っ掛けになった、つい先日見つけた近代(1960年)の用例。

「追っかけろ、やつをつかまえろ!」と、ペータースはあらあらしくどなった。「やつをつかまえないで帰ってくるなよ。手ぶらでもどってきたら、どうするかおぼえていろ。」(アストリッド・リンドグレーン作、
尾崎義訳『名探偵カッレとスパイ団』岩波少年文庫、P222L2)


ペータース(スパイ団の親玉)は、「やつをつかまえ」ることが「帰ってくる」ための条件だと言っているのではなくて、「やつをつかまえないで帰ってくる」ことを、禁止しているのである。

なお、同様の事例は、以前にも取り上げたことがある。

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