『当世もののけ生態学』

最近、どうも妖怪に取り憑かれているらしい人をちらほら見かけるので、思い出して取り出して来た本。

別役実『当世もののけ生態学』

当世もののけ生態学

残念ながら絶版だが、現在では『もののけづくし』として文庫化されているようだ。文庫化に当って改訂があったかどうかは判らない。

さて、本書の内容だが、刊行当時に書かれた紹介文に尽きていると思われるので、それを転載して責を塞ぐことにする。

近代科学においていかがわしいものとして無視されてきた妖怪変化を、近代科学就中生物学の中に位置付けて体系的に研究する「もののけ生態学」の草分けであり泰斗である著者の最新の著作である。
序文において示される、近代科学が反妖怪変化的である立場を取らなければならなかったのが錬金術などから発展した近代科学の生い立ちに起因するとする論述は、多大な説得力を持つ。また、近代科学が妖怪変化的なものを切り捨てたままにしておくことによって、かつて妖怪変化のたぐいが近代科学によって排除されたように、今度は近代科学がいかがわしいものとして排除されてしまいかねないという警鐘も傾聴に値する。
本書には29種の「もののけ」が取り上げられ、その生態が詳細に記述されている。一般には知られていないものや、知られていてもそれが「もののけ」とは認知されていないものも少なからず含まれており、読者の裨益するところ甚だ大と言えよう。
さらに、知名度の高い「もののけ」についても、誤解され易いところが詳細にかつ理解しやすく説明されている。
一例を上げれば、冒頭に取り上げられている「ろくろっくび」である。言うまでもなく首が伸びることで知られる妖怪だが、見顕屋(みあらわしや)の「ややっ、首が伸びたぞ。さてはろくろっくびだな」という台詞における「さては」に著目して、首が伸びたことが即ろくろっくびだと断定する根拠にはならないことを、現在の妖怪学における「見顕学」を絡めて解説している。浅学の筆者は、「見顕学」というものがあることを本書で初めて教えられたのだが、これも著者の深い造詣を以てして成しえた考察だと言えるだろう。
その外、当連盟の指定する天然記念物怪3種も一章を宛てて取り上げられており、「もののけ」の現状を知るに最適の書であること、疑いの余地はない。
「もののけ」に興味のある人はもとよりのこととして、「もののけ」が非科学的な迷信だと誤解している諸氏に、特に強く本書をお勧めしたい。


IUCY(国際妖怪保護連盟)の『会誌』(1994年1月号)に掲載された匿名氏によるものである。




…嘘だけどね。

>どうも妖怪に取り憑かれているらしい人

僕のことですか?
[ 2014/11/06 03:05 ] [ 編集 ]

Re: 中川@やたナビ さん

あれっ、こんな記事書いたっけ?
きっと妖怪「つれづれ」の仕業に違いない。
[ 2014/11/06 14:32 ] [ 編集 ]

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